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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科43巻12号

1989年11月発行

文献概要

今月の症例

高IgE症候群の1例

著者: 三浦淳子1 今井龍介1 山田裕道1 高森建二1

所属機関: 1順天堂大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.1191 - P.1197

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 高IgE症候群の4歳の男児例を報告した.臨床的には慢性湿疹様の皮疹を呈し,皮膚・肺に反復する黄色ブドウ球菌の感染が認められ,皮膚びらん面および咽頭粘液より黄色ブドウ球菌が分離同定された.免疫学的には血清IgEおよびIgGの高値,pan T細胞とsuppressor T細胞の減少,活性化T細胞の増加およびhelper/suppressor比の増加が,好中球機能ではchemotaxisの低下およびleukotorien産生能の増加が認められた.IgE-RAST検査では卵白,ミルクで陰性,ダニ,ハウスダスト,アスペルギルス,カンジダにて陽性を呈した.抗原特異的IgE抗体はカンジダ,ダニにおいて陽性を示した.最後に,本症とアトピー性皮膚炎との異同および好中球機能と病像形成との関連について考察した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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