文献詳細
症例報告
文献概要
木村病の2例を報告した.症例1は33歳女性で,15年前より右上腕内側の皮下腫瘤があり,手掌大に増大した.症例2は47歳男性で,5年前より両側耳介周囲に鶏卵大の凹凸不整の隆起性局面があった.いずれも組織像では,真皮から皮下組織にかけてリンパ濾胞様構造を伴う好酸球,小円形細胞の多数の浸潤,血管の新生および肥満細胞の増生をみ,さらに症例1では濾胞様構造に一致してIgEが網状に存在した.一般検査では,2例とも末梢血好酸球数および血清IgE値の上昇を認めた.合併症状として,症例1ではクインケ浮腫,蕁麻疹,痒疹,症例2では喘息,痒疹を伴った.治療は2例ともプレドニゾロン30mg/日投与し,症例1では60Co照射を併用した.症例1では腫瘤は消失しているが,クインケ浮腫,蕁麻疹は時々出現し,症例2では現在もプレドニゾロン5mg/日投与中であるが,腫瘤は完全には消失していない.
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