icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科43巻12号

1989年11月発行

症例報告

木村病の2例

著者: 市川澄子1 寺西好治1 清水正之1

所属機関: 1三重大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.1245 - P.1249

文献概要

 木村病の2例を報告した.症例1は33歳女性で,15年前より右上腕内側の皮下腫瘤があり,手掌大に増大した.症例2は47歳男性で,5年前より両側耳介周囲に鶏卵大の凹凸不整の隆起性局面があった.いずれも組織像では,真皮から皮下組織にかけてリンパ濾胞様構造を伴う好酸球,小円形細胞の多数の浸潤,血管の新生および肥満細胞の増生をみ,さらに症例1では濾胞様構造に一致してIgEが網状に存在した.一般検査では,2例とも末梢血好酸球数および血清IgE値の上昇を認めた.合併症状として,症例1ではクインケ浮腫,蕁麻疹,痒疹,症例2では喘息,痒疹を伴った.治療は2例ともプレドニゾロン30mg/日投与し,症例1では60Co照射を併用した.症例1では腫瘤は消失しているが,クインケ浮腫,蕁麻疹は時々出現し,症例2では現在もプレドニゾロン5mg/日投与中であるが,腫瘤は完全には消失していない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら