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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科43巻13号

1989年12月発行

臨床統計

Microsporum canis感染症の統計的観察

著者: 高橋泰英1 飯古英里子1 家本亥二郎1 黒沢伝枝1 中嶋弘1

所属機関: 1横浜市立大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.1287 - P.1291

文献概要

 昭和54年1月から昭和63年12月まで10年間に,横浜市大皮膚科を受診したMicrosporum canis感染症患者41例について統計的観察を行った.最近10年間では明らかな増減傾向はなかった.性別では男15例(36.6%),女26例(63.4%)で女に多かった.年齢では.最年少が生後21日目(発症時14日目),最年長が52歳,平均16.4歳で,9歳までが24例(58.5%)と最も多く,特に5〜9歳が17例で41.5%を占めた.体部白癬は22例で,男6例(27.3%),女16例(72.7%)と女が約3倍で.年齢は比較的均等に分布しており,裸露部に多発する例が多かった.ケルスス禿瘡は18例で性差はなく,5〜9歳が全体の72.2%を占めた,頭部浅在性白癬は男6例,女1例で全て9歳までの症例であった.感染源としては猫が61.0%,犬が36.6%であった.家族内発症は7家族,15例にみられた.ケルスス禿瘡の77.8%がステロイド外用の既往があり,その発症誘因としてステロイド外用剤が重要と思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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