文献詳細
症例報告
文献概要
症例:16歳男.外傷の既往なく7カ月来有痛性腫瘤出現し,近医で内容除去されるも再発・増大した.現症:中央に鱗屑を伴う直径14mmの嚢腫状腫瘤が左踵底部に単発し,圧痛が強い.その近傍に,幼少時外傷後出現し,自覚症を欠くモザイク型足底疣贅が存在する.組織所見:嚢腫は表皮と同様の壁構造を有する角質性嚢腫で,被覆表皮と連続し,内腔に空胞様構造,壁に細胞質内好酸性封入体が散在する.PAP法にて嚢腫内腔の空胞様構造,封入体を有する細胞の核に乳頭腫ウイルス抗原を認めたが,これらは嚢腫最上部にも散見された.足底疣贅はモザイク型疣贅の組織所見を示し,PAP法にて顆粒層・角質層の核に一致して乳頭腫ウイルス抗原陽性であった.単純摘出5カ月後,線状瘢痕中央部に小疣贅の続発をみた.乳頭腫ウイルス抗原陽性の足底表皮嚢腫の報告例について検討し,足底疣贅との関連について若干の考察を加えた.
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