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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科43巻13号

1989年12月発行

症例報告

足底疣贅の合併をみた乳頭腫ウイルス抗原陽性の足底表皮嚢腫

著者: 木村俊次1

所属機関: 1国家公務員等共済組合連合会立川病院皮膚科

ページ範囲:P.1299 - P.1303

文献概要

 症例:16歳男.外傷の既往なく7カ月来有痛性腫瘤出現し,近医で内容除去されるも再発・増大した.現症:中央に鱗屑を伴う直径14mmの嚢腫状腫瘤が左踵底部に単発し,圧痛が強い.その近傍に,幼少時外傷後出現し,自覚症を欠くモザイク型足底疣贅が存在する.組織所見:嚢腫は表皮と同様の壁構造を有する角質性嚢腫で,被覆表皮と連続し,内腔に空胞様構造,壁に細胞質内好酸性封入体が散在する.PAP法にて嚢腫内腔の空胞様構造,封入体を有する細胞の核に乳頭腫ウイルス抗原を認めたが,これらは嚢腫最上部にも散見された.足底疣贅はモザイク型疣贅の組織所見を示し,PAP法にて顆粒層・角質層の核に一致して乳頭腫ウイルス抗原陽性であった.単純摘出5カ月後,線状瘢痕中央部に小疣贅の続発をみた.乳頭腫ウイルス抗原陽性の足底表皮嚢腫の報告例について検討し,足底疣贅との関連について若干の考察を加えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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