icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科43巻13号

1989年12月発行

症例報告

乳癌:自験2例と免疫組織化学的検討

著者: 三浦俊祐1 高橋博之1 高橋誠1

所属機関: 1札幌医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.1327 - P.1331

文献概要

 原発性乳癌(症例1:74歳,女)と続発性乳癌(症例2:41歳,女)の各1例を経験し,免疫組織化学的検討を加えた.症例1はscirrhus carcinomaで皮膚科で診断された稀な例,症例2は転移性乳癌では稀なinflammatory carcinomaであった.免疫組織化学的検索の結果は以下のごとくであった.i) S−100蛋白はα,β鎖とも症例1にのみ不均一に陽性であった.ii) epithelial membrane antigen, keratin, neuron specificenolaseはいずれでも陽性であった.iii) CEAβ2—microglobulinは症例1のみ陽性であった.iv) vimentinは両症例とも陰性であった.これらの結果は両症例の上皮性腫瘍としての性格,分化度を反映しており,複数の抗体の組み合わせによる検討は鑑別診断の上で有用と考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら