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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科43巻2号

1989年02月発行

文献概要

症例報告

多指症,合指症を伴ったEpidermal Nevus Syndrome

著者: 高橋美千代1 丸山友裕1 伊藤雅章1 佐藤良夫1

所属機関: 1新潟大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.137 - P.144

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 片側性,広範囲に分布する表皮母斑と骨異常,高口蓋,陰嚢水腫などを合併したepidermal nevus syndromeを経験した,症例は,1カ月,男.満期産,成熟児,正常分娩.生下時より,左半身に白色扁平隆起性ないし褐色疣状の皮疹が認められる.また,左手第1指および左足第1趾の重複拇指,左第2,3,4趾の合趾症,右第2,3趾の合趾症を合併する.痙攣発作等の中枢神経系の異常を示す所見はない.組織学的に,皮疹部の表皮は不規則な肥厚と過角化を示すが,orthokeratoticであり,N-(7-imethylamino-4-methyl-3-coumarinyl) maleimide染色では,ほぼ正常のSH基,SS結合の分布を示す.電顕的に,表皮細胞の細胞質中に膜変性物を認め,ケラトヒアリン顆粒は一部,不整形,粗大である.本症とlinear sebaceous nevus syndromeの本邦報告例を検討し,本症の概念について考察した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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