icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科43巻3号

1989年03月発行

症例報告

Clofazimineが奏効した壊疽性膿皮症の1例

著者: 廣瀬るみ1 堀越貴志1 前田香折1 小野寺英夫1 前田和男1 高橋誠1 伝法玲子

所属機関: 1札幌医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.263 - P.268

文献概要

 Clofazimineが著効を示した,難治性の壊疽性膿皮症(以下PGと略す)の1例を報告した.併せてPGに対するclofazimineの作用機序および副作用につき文献的考察を行った.症例は23歳女性.昭和58年9月,顔面に座瘡様発疹が出現し,その後窄掘性潰瘍を形成した.皮疹はsteroid剤内服にのみ反応したが,減量(prednisolone acetate12.5mg/日以下)と共に潰瘍は増悪した.Salazosulfapyridine内服,cromoglycatedisodium液外用を併用したが無効であった.皮疹はclofazimine 1日400mg内服開始直後より急速に改善し,prednisolone acetateを増量することなく約1カ月で瘢痕治癒した.Clofazimine中止後,1年半経過しているが潰瘍の再発を認めていない.Clofazimineはsteroid剤にて治癒困難な症例に対し,試みるべき有用な薬剤と考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら