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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科43巻3号

1989年03月発行

症例報告

免疫組織学的検討を加えた薬剤性Toxic Epidermal Necrolysisの1例

著者: 飯沢理1 相場節也1 加藤敦2 吉田洋一3

所属機関: 1東北大学医学部皮膚科学教室 2東北大学医学部第一内科学教室 3東北大学医学部第三内科学教室

ページ範囲:P.275 - P.279

文献概要

 症例は56歳,男性.エヴァンス症候群の治療の目的でプレドニゾロンを使用し,さらに消化性潰瘍予防のためにラニチジンが投与された.ラニチジン内服10日後に発熱と全身の皮疹が生じ,ラニチジンの中止後も40℃台の発熱と全身の浮腫性紅斑が持続し,さらに大小の水疱,糜爛面が出現した.病理組織学的には基底層で諸処に液状変性がみられ,一部は真皮から表皮が分離して小水疱を形成し,さらにエオジンに濃染する変性細胞の周囲にリンパ球が集まっている像が散見された.臨床検査所見では,末梢血で白血球の減少がみられた.また免疫組織学的解析を試み,その結果Leu−2a陽性suppressor/cytotoxic-T細胞が,真皮内のみならず,表皮真皮境界部,および表皮内にも存在している所見を得た.このことから,toxic epidermal necrolysisの病因に細胞性免疫が関与していると考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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