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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科43巻4号

1989年04月発行

症例報告

滲出性紅斑を生じ一過性に発熱,耳下腺腫脹を呈した亜急性皮膚エリテマトーデスの1例

著者: 川久保洋1 小林孝志1 山田晴義1 仲弥1 西川武二1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.339 - P.343

文献概要

 39歳,男.亜急性皮膚エリテマトーデス(subacute cutaneous lupus erythema-tosus,以下SCLEと略す)の経過中,前胸部の滲出性紅斑および発熱,耳下腺部の発赤腫脹,口腔内の乾燥症状が出現し検査所見上抗核抗体陽性,抗SS-Aおよび抗SS-B抗体陽性,口唇唾液腺生検組織,唾液腺管造影像からシェーグレン症候群(SjS)の合併が考えられた症例を報告した.滲出性紅斑の病理組織学的検査にて,ごく軽度の表皮基底細胞層の変化と真皮上,中層に血管,付属器(汗腺も含む)周囲性のリンパ組織球の浸潤を認めた.Lupus band testは陰性.自験例はSCLEとSjSの関連性を強く示唆する症例と思われた.また,抗SS-B抗体が乾燥症候群や滲出性紅斑の出現と関連している可能性について述べた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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