文献詳細
症例報告
文献概要
72歳,男性.特に基礎疾患は有さない.右三叉神経第一枝領域の帯状疱疹の経過中にDIC症候群を合併.初発症状として血尿・紫斑・歯肉出血などの出血症状のほか,意識レベルの低下,乏尿を認めた.極期の凝血学的検査は血小板1,000/mm3,フィブリノーゲン310 mg/dl,血中FDP40〜80μg/ml,出血時間30分,凝固時間10分以上,血沈1時間値4mm・2時間値13mmで,DICscoreは4であった.メシル酸ガベキサート(商品名FOY)2,000mg/日とヘパリン2万単位/日の持続点滴にて治療を開始したが,出血症状の増悪あり,ヘパリンは投与2日目に中止した.結局FOYと血小板製剤の大量投与にて救命することができた.経過中,AT—Ⅲは正常範囲内で,抗血小板抗体は陰性であった.
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