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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科43巻4号

1989年04月発行

文献概要

症例報告

Malignant Fibrous Histiocytoma(Angiomatoid Type)の幼児例

著者: 荻野篤彦1 遠藤顕子12

所属機関: 1国立京都病院皮膚科 2医仁会武田総合病院皮膚科

ページ範囲:P.375 - P.379

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 1歳7カ月男児.4カ月前に前胸部の中央に打ち身様の青色斑が生じ,月に1回程度,突発的に痛みを伴って血腫状に膨隆する発作をみた.初診時,同部位に局面性に鶏卵大の浸潤性硬結を触れ,その後も同様な発作が数回繰り返され,1年後には75×61mm大と増大したので,全麻下に摘出した.病理組織所見は真皮中層より下方および皮下脂肪織に広範囲にstoriform patternを示す密な線維性増生部分と粘液変性を示す部分があり,一部にはクロマチンの濃い核を有する異型性の強い大型の細胞が浸潤し,管腔を形成するように配列するところもある.両領域を引き裂くように大きな裂隙形成があり,赤血球を容れているが壁に内皮細胞はみられない.術後5年しても再発および転移はない.本例はmalignant fibrous histiocytomaのうちで,とくに若年者に多く見られる"angiomatoidtype"に属すると思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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