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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科43巻5号

1989年05月発行

総説

分子生物学の皮膚疾患への応用

著者: 木花光1

所属機関: 1日本鋼管病院皮膚科

ページ範囲:P.415 - P.418

文献概要

はじめに
 近年の分子生物学の急速な発展と各方面への普及は目を見張るものがある.高品質の試薬が容易に入手できるようになり,手技が標準化された実験キットが市販され,さらにアイソトープを使用せずに可能となった技法もあり,それらがさらに普及を促進している現状である.医学においても,すでに分子生物学的手法が種々の疾患の診断,病因の解明,治療に採用されており,米国の大学病院では中央検査室レベルで分子生物学的検査を実施しているところもあるほどである.皮膚科領域においても,最近この大波が押しよせ始め,分子生物学的手法を川いた研究の報告が見られるようになり,漸増傾向を示している.光学顕微鏡と比べて格段に性能のすぐれた電子顕微鏡で,種々の新知見が得られたごとく,今までの蛋白レベルまでの研究が分子生物学によりDNAレベルでなされることで,皮膚科学においても今後新発見が続々となされるであろう.
 本稿では分子生物学が皮膚疾患の診断,病因の解明にいかに応用され始めているか,さらに今後の展開について疾患例を挙げて記載することにする.まず分子生物学でよく使われる用語,手技について以下に若干の説明を加える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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