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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科43巻5号

1989年05月発行

原著

日光蕁麻疹—皮膚明度と誘発の関係

著者: 宮元千寿1 佐藤吉昭12

所属機関: 1東京医科歯科大学医学部皮膚科学教室 2東京女子医科大学第二病院皮膚科

ページ範囲:P.419 - P.423

文献概要

 32歳,男性の日光蕁麻疹の1例を報告した.露光中は皮疹が出ず露光を中止すると膨疹が出現することから,抑制波長を持つ日光蕁麻疹と思われた.作用波長は400〜500nmの可視域にあり,血清照射試験が陽性であったことよりHarberのIV型に属すると考えた,550nmより長波長可視光線の後照射により照射中に抑制効果がみられたが,照射中止後は反応がむしろ増強して出現した.これらの効果は前照射ではみられなかった.自験例は臨床的に膨疹の出易さに部位差があり,スライド・プロジェクターによる誘発でも同様に部位差がみられた.そこで皮膚色に着目し,皮膚明度と皮疹誘発の関係を調べたところ,色が白い,すなわち明度が高い部位は誘発され易く,色が黒く明度が低い部位では誘発がより困難であった.これはメラニン色素がフィルターの役目をして,膨疹惹起因子へ到達する可視光線量を減弱させる結果であろうと推測した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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