icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科43巻5号

1989年05月発行

症例報告

Mycobacterium chelonei皮膚感染症の1例

著者: 藤田真由美1 遠藤顕子1 荻野篤彦1 久世文幸2

所属機関: 1国立京都病院皮膚科 2京都大学胸部疾患研究所附属病院第一内科

ページ範囲:P.425 - P.428

文献概要

 44歳,主婦の右臀部に生じたMycobacterium chelonei皮膚感染症を報告した.初診の約半年前より右臀部に圧痛を伴う紅色浸潤局面が生じ,徐々に拡大してきた.外傷・注射等の既往はない.昭和61年1月,当院受診.右臀部に紫紅色の浸潤性局面が存在し,波動を触れる.穿刺にて血性あるいは透明な漿液を多量排出する.ツ反37mm×48mm.一般検査所見異常なし.病理組織所見では真皮にリンパ球,好酸球,組織球,類上皮細胞などの混在する肉芽腫性反応を認める.一般細菌培養陰性,真菌培養陰性.小川培地に培養した滲出液および組織片から集落形成を得,同定検査成績より,Mycobacte—rium chelonei subsp.cheloneiと同定された.外科的切除後,大鼠に出血したが次第に滲出液は減少し,略治した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら