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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科43巻5号

1989年05月発行

文献概要

症例報告

テガフールによる薬疹

著者: 関太輔1 檜垣修一1 諸橋正昭1

所属機関: 1富山医科薬科大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.433 - P.438

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 症例1:77歳,男.胃癌のためテガフール800mg/日内服,内服約3カ月後から手指爪母部に紫紅色変化,糜燗出現.その約2カ月後には亀頭にも糜燗出現.内服中止約1カ月後には軽快.症例2:50歳,女.右乳癌のためテガフール600mg/日内服.内服約14カ月後から足趾に紫紅色変化,糜燗出現.その約3カ月後には右拇指球部にも紅斑が出現.内服中止約1カ月後には軽快.テガフールは経口投与が可能であることから現在よく用いられている抗癌剤の一つであり,その薬疹もそれほど稀なものではないが,実際に報告されているものは1977年の都留らの報告以後約90例にすぎない.今回我々はテガフールの長期内服後に生じた薬疹の2例を経験したのでここに報告するとともに,これまでの報告例について文献的に考察を加えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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