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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科43巻5号

1989年05月発行

文献概要

症例報告

食道癌皮膚転移の2例

著者: 井出瑛子1 浦亜紀子1 桜岡浩一1 早川和人1 仲弥1 多島新吾1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.479 - P.483

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 食道癌より皮膚転移を生じた2例を報告した.2例とも初診時顔面に単発の結節として認められた.組織学的には症例1はmucoepidermoid carcinoma,症例2は腺癌であり,いずれも食道癌としては稀な組織型であった.症例1では原発巣発見に先立って,また症例2では原発巣を摘除して9カ月後に皮膚転移を認めているが,ともに皮膚転移出現時には他臓器への転移は明らかではなかった.食道癌の皮膚転移は稀であるが,過去20年間の本邦皮膚科領域報告例9例の統計からみると,40〜60歳代,男性の頭部,顔面に単発の結節として生じ易いものと考えられた,中高年者の皮膚に増大傾向の強い結節性病変を認めた場合,悪性腫瘍の既往がない症例においても転移性皮膚癌を疑い,生検等を含めた積極的な検索が必要と思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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