icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科43巻6号

1989年05月発行

特集 臨床皮膚科—最近のトピックス

Clinical Dermatology 1989 I最近話題の疾患とその病態

皮膚血管炎の血管障害と補体

著者: 川名誠司1

所属機関: 1北里大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.538 - P.542

文献概要

 皮膚血管炎のうちanaphylactoid pur-puraを対象疾患とした場合,皮膚および腎組織におけるterminal complement complex (TCC)あるいはmembrane attack complex (MAC)の形成は,15例中11例の皮膚細小血管,毛細血管壁に認められ,4例のpurpura nephritis全例の糸球体毛細血管係締壁に認められた.これら4例の血清中にはlgA-circulating immune complex (CIC)が有意に高く,皮膚,腎に局在するimmune com-plexならびに補体成分はCIC由来と考えられた.TCCが沈着した血管壁は病理組織学的に内皮細胞の膨化,壊死,剥離が顕著で,周囲に赤血球の血管外遊出が認められた.皮膚血管炎の病態における補体の役割を,TCCのcytolysisに基づく血管内皮細胞障害作用と,炎症反応におけるmodu-latorとしての作用の2面に注目して論じた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら