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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科43巻6号

1989年05月発行

特集 臨床皮膚科—最近のトピックス

Clinical Dermatology 1989 I最近話題の疾患とその病態

Friction melanosis

著者: 濱田稔夫1 石井正光1 浅井芳江2

所属機関: 1大阪市立大学医学部皮膚科学教室 2浅井皮膚科医院

ページ範囲:P.547 - P.551

文献概要

 比較的若いやせ型の女性に好発し,骨の直上部にみられる特異な褐色色素沈着症が注目されるようになり,入浴時にナイロンタオル使用などの慢性の機械的刺激が一因と考えられるfric—tion melanosis (摩擦黒皮症)について,代表的な3症例を呈示して検討を加えた.Friction melanosisの臨床像は骨の直上部とともに,ナイロンタオルなどで摩擦を受ける部分にも,びまん性,網目状の褐色色素沈着がみられ,臨床像にも幅があることが明らかとなった.病理組織学的,組織化学的所見では,表皮基底層のメラニン顆粒の増加と真皮上層に多数のメラノファージを認めるが,細胞浸潤は軽度である.アミロイド染色ではアミロイドの沈着を認める例は少ないものの,アミロイド沈着例も出現することより,斑状アミロイドーシスとの異同についても私見を述べ,皮膚色素沈着症のうちの,真皮性メラノソーム沈着症の発症機序の今後の展望についても触れた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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