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雑誌目次

雑誌文献

臨床皮膚科43巻7号

1989年06月発行

雑誌目次

カラーアトラス

局面型サルコイドーシス

著者: 斉藤昭 ,   新井春枝

ページ範囲:P.684 - P.685

患 者 51歳,男性
初 診 昭和62年5月1日

総説

水疱症の病因研究と診断の推移—天疱瘡,水疱性類天疱瘡を中心として

著者: 金子史男

ページ範囲:P.687 - P.694

はじめに
 水疱症の発症機序に関する研究は,免疫組織学的手技の普及と免疫電顕法の発展によって急速な進歩をとげてきた.その診断法についてはほぼ確立され,免疫生化学的研究はついには原因自己抗体,抗原のベールを剥がしつつある.ここでは,いわゆる自己免疫性水疱症のうち,天疱瘡ならびに類天疱瘡を中心に,その病因研究の推移を振り返り,簡単にまとめてみたい.

原著

Schweninger-Buzzi型特発性斑状皮膚萎縮症

著者: 五味俊彦 ,   田中信 ,   長島正治 ,   瀬山義幸 ,   多島新吾

ページ範囲:P.695 - P.700

 19歳,女性.1年3カ月前より発生したSchweninger-Buzzi型特発性斑状皮膚萎縮症の1例を報告した.皮疹は上腕から躯幹にかけて多発する炎症症状のない嚢状に隆起した腫瘤である.蒼白色,米粒大から小指頭大,触れると柔らかく,押すとヘルニア様に陥凹する.表面は萎縮し,ちりめん皺を呈する.自覚症状はない.組織学的に病巣部では表皮の菲薄化,表皮突起の消失がみられ,真皮では乳頭層から中層にかけて弾力線維の著明な減少がある.電顕的には弾力線維の変性像が認められた.またエラスチン含量は正常人に比し低下していたが,エラスチンmRNA量に差は見られなかった.本邦におけるSchweninger-Buzzi型特発性斑状皮膚萎縮症の年齢,性別,発症部位,臨床,組織および電顕所見について文献的に考察した.本症の診断は,発症時よりの炎症を伴わない特徴的な臨床像にあり,組織学的および電顕所見は本症を裏付けるための補助的所見と考えた.

症例報告

Cronkhite-Canada症候群の1例

著者: 佐藤涼子 ,   落合豊子 ,   安藤浩代 ,   森岡貞雄 ,   伊藤和郎 ,   富田寛

ページ範囲:P.701 - P.704

 65歳,男子に発症したCronkhite-Canada症候群の1例を報告した.患者は初診8カ月前より,下痢と全身倦怠感が出現し,味覚鈍麻を主訴として来院した.手足の色素沈着,爪甲萎縮,易脱毛性を伴い,胃から十二指腸にかけて多発性ポリポージスを認めた.自験例では重篤な低蛋白血症など,消化器症状に伴う検査所見には異常がみられないが,消化器症状と皮疹の消長には相関がみられ,消化器症状が皮膚症状の発現に関与する可能性が示唆された.また,味覚鈍麻は硫酸亜鉛の内服により改善され,消化管ポリポージスに起因する血清亜鉛値の低下と関連があるものと考えられた.

Bourneville-Pringle母斑症の1例

著者: 石田久哉 ,   八町祐宏 ,   上田恵一 ,   早川幸紀

ページ範囲:P.705 - P.710

 26歳,男.全身に多彩な合併症を伴ったBourneville-Pringle母斑症の1例を報告した.1歳時からてんかん発作で発症し,次第に顔面の血管線維腫,Koenen腫瘍,粒起革様皮膚などが生じてきた.検査で本症に比較的稀な病変である肝の腫瘍を含めて腎の腫瘍,脳室壁の石灰化,眼底の白斑等が認められた.さらに本疾患の臨床的事項,病因について若干の文献的考察を加えて卑見を述べた.

Eruptive Vellus Hair Cystsの4例

著者: 木村淳子 ,   浅野さとえ ,   岡部省吾

ページ範囲:P.711 - P.714

 兄妹例を含む4例のeruptive vellus hair cystsを報告した.3例で一部自然消褪し,異物肉芽腫反応や嚢腫内容が表皮より排出されようとする像が認められた.既に報告されている症例について若干の検討を行った.本疾患が狭義の多発性毛嚢嚢腫と同一の疾患ともいえることを指摘したい.

Infantile Myofibromatosis(単発型)と考えられる1例

著者: 川口とし子 ,   石井則久 ,   菅千束 ,   中嶋弘 ,   西條正城

ページ範囲:P.717 - P.720

 13歳,女.Infantile myofibromatosis(IM)と考えられる症例を報告した.Hemangiopericytoma(HP)様の組織が中央に存在し,それをとり囲んでdermatofibrosarcoma protuberans(DFSP)様の組織が存在する,という特微的な組織学的所見は,IMのそれとよく一致した.IMの腫瘍細胞の本体はmyofibroblastとされているが,本症例の電顕所見では,むしろfibroblastに近いと思われた.Smooth muscle cell,myofibroblast,fibroblast,histiocyteなど間葉系細胞の未分化性を示唆する興味深い症例と考えた.

Proliferating Trichilemmal Cyst—悪性腫瘍を疑わせた2例

著者: 藤田優 ,   小林まさ子

ページ範囲:P.723 - P.726

 症例1:47歳,男性.陰嚢部の5.1×3.6×2.0cmの表面膿苔を付す有茎性の腫瘤.症例2:42歳,女性.頭頂部の4.8×4.1×3.8cmの潰瘍を伴う円筒状の腫瘤.ともに組織学的にproliferating trichilemmal cystの像を示すが,症例1では腫瘍胞巣外層のbasaloid cellに核分裂像,細胞配列の乱れを認め,症例2では腫瘍の一部に異型性のある細胞の集塊状増殖を認めた.両例とも臨床的,組織学的にsquamous cell carcinoma,malignant proliferating trichilemmal cystとの鑑別が必要であった.両疾患の鑑別を述べると共に,proliferating trichilemmal cystの大型のものや,潰瘍を伴うもの,頭部以外のものでは悪性化も考慮して取り扱う必要性について述べた.

手指足趾に生じた転移性皮膚癌の3例—転移性皮膚癌21例の検討

著者: 川口とし子 ,   石井則久 ,   中嶋弘 ,   内山光明

ページ範囲:P.727 - P.732

 指趾に生じた転移性皮膚癌3例を報告した.成人の指趾に突然生じた小結節は転移性皮膚癌を疑う必要があると思われた.また,近年当科で経験した転移性皮膚癌21例について検討したところ以下の結果を得た.①男性では50〜70歳代に一峰性の分布を示したが,女性では,30〜40歳代と60〜80歳代とに二峰性の分布を示した.②原発巣は肺癌と乳癌が最も多く,両者で全体の57.1%を占めた.③臨床像は結節型,組織像は腺癌が最も多かった.④発生部位は,好発部位とされる胸部,頭部以外に,比較的稀とされる背部,四肢にも少なからず認められた.⑤原発巣発見から皮膚転移までの期間,皮膚転移から死亡までの期間は各々,2年11カ月,8カ月であり,乳癌の症例では,どちらも長い傾向にあった.⑥皮膚転移が原発巣発見に先行した症例は10例で,全体の47.6%を占めた.

爪甲黒色色素線条を呈した爪母Bowen病の1例

著者: 西條忍 ,   加藤泰三 ,   田上八朗

ページ範囲:P.733 - P.736

 59歳男性の右第5指爪母に発生したBowen病の1例を報告した.黒色色素線条が急速に増大して爪の変形を伴ってきたことから,臨床的には悪性黒色腫を考えた.組織学的にはpigment blockadeを伴うBowen病であった.25年間の職業性放射線被曝が発症のきっかけと考えた.

放射線治療が有効であった老人女性頭部の脈管肉腫

著者: 田中美佐子 ,   蔵本陽子

ページ範囲:P.737 - P.740

 77歳女性の頭部に生じた脈管肉腫に対し,31日間で8MeVの電子線32 Gyと60Co 30 Gyを全頭部に照射し,局所の腫瘍の消失を肉眼的および組織学的に確認した.治療後約2年経過しているが,局所再発を認めていない.広い照射野に高エネルギーの放射線を60〜70Gy照射する治療法は脈管肉腫に対して有効と考え報告した.

Neutrophilic Dermatosis of Myeloproliferative Disorders—好中球の核分葉異常を伴った1例

著者: 盛岡奈緒子 ,   乃木田俊辰 ,   大塚藤男 ,   石橋康正 ,   浦部晶夫

ページ範囲:P.741 - P.746

 Myelodysplastic syndrome(MDS)の50歳男性に38℃台の発熱,有痛性紅斑,浅い潰瘍,針反応様の膿疱様皮疹等多彩な症状が出現した.膿疱様皮疹の組織像は好中球浸潤による真皮上中層の無菌性膿瘍が主体であった.これら臨床,組織所見はSweet's syndrome(SS),pyoderma gangrenosum(PG)と類似し,両者の中間的皮膚病変として1983年,Caughmanらの発表したneutrophilic dermatosis of myeloproliferative disordersに合致すると考えた.また,真皮上中層の膿瘍部に浸潤する好中球の多数に,pseudo Pelger-Huët anomalyなどの核分葉異常を認めた.その後で末梢血液を精査したところ,その好中球にも同様の所見を見出した.MDSの末梢血好中球にpseudo Pelger-Huët anomalyを伴うことは知られているが,皮膚浸潤細胞における同異常を指摘した報告はない.MDSに伴う皮膚病変における好中球核分葉異常は,これまで見逃されてきた可能性が高く,注意を喚起したい.

交換輸血後に生じた新生児GVHDの1例

著者: 樋口満成 ,   笠田守 ,   蜂須賀裕志 ,   津田真五 ,   笹井陽一郎 ,   山口郁代 ,   弓削建 ,   加藤裕久

ページ範囲:P.747 - P.751

 交換輸血により生じた新生児のgraft-versus-host disease (GVHD)の1例を報告した.全身に中毒疹様の播種性紅斑,四肢の膜様落屑,下痢,無顆粒球症などの症状がみられ,ステロイドパルス療法やサイクロスポリンA投与を行うも敗血症のため死亡した.組織学的には基底層の液状変性,表皮細胞の好酸性壊死が観察され,免疫組織学的にもLeu 2a細胞主体の浸潤,表皮のHLA-DR抗原陽性所見,ランゲルハンス細胞の減少がみられた.また電顕的検索では表皮細胞の衰退を観察した.新生児における交換輸血はGVHDを引き起こす可能性があり,注意が必要である.

Necrobiosis Lipoidicaの1例

著者: 増田理恵 ,   赤松浩彦 ,   朝田康夫 ,   西嶋攝子

ページ範囲:P.753 - P.756

 症例は57歳,女性.初診4カ月前頃,右肘頭の自覚症状のない紅褐色浸潤性局面に気づき,その後1〜2カ月の間に両下腿,左上腕にも同様の皮疹が出現し,両下腿前面には落屑性紅褐色丘疹が多数みられるようになった.75g OGTTの結果,耐糖能異常と判定され,中等度の肝機能障害も合併していた.右上腕よりの生検組織所見は,類壊死巣とその周囲のリンパ球,組織球,巨細胞の浸潤,血管壁の肥厚と脂質の沈着が認められた.Necrobiosis lipoidicaの皮疹が下腿以外の非好発部位に生じた場合にはgranuloma-tous typeが多いといわれ,環状肉芽腫との鑑別も問題となるが,自験例は,組織学的にはnecrobiotic typeに近いものと考えられた.

Armoise Oilにアレルギーを示す接触皮膚炎の3症例

著者: 笠原延子 ,   松尾閑乃 ,   中山秀夫

ページ範囲:P.757 - P.762

 香料armoise oilにアレルギーを示す接触皮膚炎3例を報告した.症例1は39歳女性,症例2は50歳女性,症例3は37歳の男性で,前2者は顔面の瘙痒,紅斑,特に症例2は高度の色素沈着を伴い難治であった.症例3は毛孔一致性の丘疹と紅斑を生じていた.3症例とも化粧品シリーズのpatch testでarmoise oilに明瞭な陽性反応を呈した.光照射による反応増強はなく,確認テストでも陽性反応が得られた.Armoise oilは北アフリカに自生するArtemesia herba arbaという植物より抽出される精油で,20%vaselin baseでpatch testを行うと,122名の化粧品皮膚炎中6名程度の強陽性反応を見る.3症例ともlavender oilと交叉陽性反応が見られ,armoise oilと共通抗原を有すると考えられた.3症例とも抗原除去治療で改善したが,症例3は洗濯用洗剤を香料入り粉石鹸にかえると皮疹の再発を見た.

黒癬の1例

著者: 野本正志 ,   白井志郎 ,   久保艶尚 ,   重見文雄

ページ範囲:P.763 - P.766

 33歳,男性.左第3指基節部尺骨側の黒色斑を主訴として来院した.黒色斑より削りとった角層を20% KOH標本として鏡検し,角層内に分岐した褐色調を帯びた特徴的な菌糸を多数認め,黒癬と診断した.病巣より得た角層を培養したところ,暗緑色のコロニーが得られ,スライド培養で1〜2細胞性の分生子とアネロ型の分生子産生が認あられ,Exophiala werneckiiと同定した.本症は現在までに沖縄で8例,熊本,鹿児島で各1例の計10例の報告があるにすぎず,自験例は四国地方では第1例目である.

ムカデ咬症の1例

著者: 富岡剛 ,   馬場俊一 ,   山口全一 ,   鈴木啓之

ページ範囲:P.769 - P.771

 東京都内の団地の5階で生じたムカデ咬症を報告した.症例は31歳,男性.睡眠中に側頸部をムカデに咬まれ,痺れ感と疼痛が出現した.右耳朶下方から側頸部にかけて拇指頭大の紅斑が1個出現した.副腎皮質ホルモンを外用し,4日後には略治した.ムカデは,アオズムカデの雌と同定された.本例はムカデ咬症が,鉄筋コンクリート住宅の5階で発生した点で稀であり,ムカデの行動範囲を知るうえで興味深い.オオムカデおよび治療に関して若干の考察を加えた.

硬性下疳と第2期梅毒疹の併発例に陰部疱疹を合併した症例

著者: 寺田文夫 ,   山田裕道 ,   高森建二

ページ範囲:P.773 - P.778

 硬性下疽と第2期梅毒疹の併発例に陰部疱疹の合併をみた50歳の男性例を報告した.陰茎冠状溝に硬性下疽が少なくとも1個,亀頭部から包皮にかけては半米粒大から小豆大までの糜爛,小潰瘍面と紅斑が多数散在,鼠径部には無痛性横痃を認めた.躯幹四肢にばら疹,掌蹠に乾癬様皮疹,前口蓋弓および口蓋垂を中心に糜爛を伴った発赤腫脹を認めた.梅毒血清反応ではガラス板法64倍,凝集法64倍,補体結合反応1,280倍,TPHA 2,560倍.ヘルペス抗体価はHSV 1型抗体64倍,HSV 1型IgG抗体160倍陽性であった.下疳部の組織像では,真皮小血管の拡張,増生,内皮細胞の腫大,そして形質細胞とリンパ球の稠密な浸潤を認めた.また下疳部組織の蛍光抗体法により,T.pallidumとHSV 1型陽性の感染細胞を証明した.治療はバイシリン120万単位/日投与により9週後にはすべての皮疹の消失および血清反応抗体価の低下を認めた.

印象記

第6回世界皮膚科会議(Tropical, Geographic and Ecologic)印象記

著者: 西川武二

ページ範囲:P.780 - P.781

 久し振りに息を抜く気のしないような軽い興奮状態の中で過ごした米国ワシントンD.C.の三大陸合同皮膚科会議(三大陸とは欧州,米国および日本を指す)と一部重なった時期に,南米はブラジル,リオデジャネイロ市で第6回世界皮膚科会議が行われた.
 私は,ワシントンの学会終了後に夜行便で慈恵医大新村眞人教授と共に,中途からこの学会に参加したので,簡単にその印象を記すことにする.

これすぽんでんす

足底悪性黒色腫初期病変の診断とその問題点—内田氏らの論文を読んで

著者: 斎田俊明

ページ範囲:P.782 - P.782

 本誌43巻4号(385-389頁)に掲載された内田らの「Acral Lentiginous Melanoma in Situの2例」は,足底悪性黒色腫初期病変の概念と診断上の問題点を考察する上で貴重な論文と思われます.
 症例1の診断にはほとんど問題はありませんが,症例2は著者らも述べているように良性の後天性色素細胞母斑との鑑別が問題になる症例と思われます.内田らは,異型メラノサイトの個別性増数が表皮基底層のみならず,一部で有棘層にまでみられ,かつ不規則な胞巣形成を伴っていたことなどを根拠に,この症例をmalignantmelanoma in situ (mm in situ)と診断しております.われわれが最近,足底の母斑類について表皮内メラノサイトの増殖様式を検討したところ,良性の後天性色素細胞母斑65症例のうち45例(69%)において,表皮内にメラノサイトの個別性増数がみられ,また22例(34%)では有棘層部にまでそれが認められました1).内田らは,Ackermanのmm in situの考え方を診断根拠のひとつにしていますが,Ackerman自身も最近,足底の母斑ではメラノサイトの個別性増数が表皮内のかなり上部にまで認められうることを報告しております2).また,メラノサイトや母斑細胞の核異型の有無の判定は,なかなか微妙なことがあり,われわれの検索では良性の足底母斑65例中17例(26%)において多少の核異型が認められました1).このような理由から,足底にはAckermanの診断基準に拠ってもmm in situか母斑かの判定に迷う病変が稀ならず見山されることになるわけです.内田らの症例2もこのような症例であって,良性の母斑である可能性が高いのではないかと私は考えております.最近,私共が作成した病理組織学的診断基準(案)1)に当てはめてみても,この症例2は少なくとも現時点ではmm in situとは診断しえない段階の病変と判定され,おそらくは良性の後天性色素細胞母斑であろうと診断されます.

斎田先生の御意見に対して

著者: 内田玲

ページ範囲:P.783 - P.783

 今回は私共の症例に対し貴重な御意見をありがとうございました.
 症例2は先生の御指摘どおり,臨床的には良性の色素性母斑を思わせ,また悪性黒色腫(mm) in situの斎田基準1)には合致するものではなく,本基準を適用すると良性とせざるを得ません.しかし,木例は臨床的には全く良性とみえても,病理組織学的には細胞の異型性があり,同時に有棘層の孤立性異型メラノサイトの増殖が認められたのでAckermanに従ってmm in situと報告しました.良性母斑にも異型性があったり,もしくは有棘層の異型の孤立性メラノサイトの増殖があるとの御意見に関しては,どの程度のものを良性とし,また悪性とするのか,その診断根拠がやや不明です.そのような病変は臨床的には良性にみえても,悪性の可能性があるのではないかとするのが我々の考えです.大きさの問題にしても,大切なことはすべてのmmが良性の母斑から生じるのではなく,mm in situとして生じる際にはφ6mm以下の小さい病変がいくらでもあると考えられることです.

基本情報

臨床皮膚科

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1324

印刷版ISSN 0021-4973

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