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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科43巻7号

1989年06月発行

原著

Schweninger-Buzzi型特発性斑状皮膚萎縮症

著者: 五味俊彦1 田中信1 長島正治2 瀬山義幸3 多島新吾4

所属機関: 1静岡赤十字病院皮膚科 2杏林大学医学部皮膚科学教室 3星薬科大学臨床化学 4慶應義塾大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.695 - P.700

文献概要

 19歳,女性.1年3カ月前より発生したSchweninger-Buzzi型特発性斑状皮膚萎縮症の1例を報告した.皮疹は上腕から躯幹にかけて多発する炎症症状のない嚢状に隆起した腫瘤である.蒼白色,米粒大から小指頭大,触れると柔らかく,押すとヘルニア様に陥凹する.表面は萎縮し,ちりめん皺を呈する.自覚症状はない.組織学的に病巣部では表皮の菲薄化,表皮突起の消失がみられ,真皮では乳頭層から中層にかけて弾力線維の著明な減少がある.電顕的には弾力線維の変性像が認められた.またエラスチン含量は正常人に比し低下していたが,エラスチンmRNA量に差は見られなかった.本邦におけるSchweninger-Buzzi型特発性斑状皮膚萎縮症の年齢,性別,発症部位,臨床,組織および電顕所見について文献的に考察した.本症の診断は,発症時よりの炎症を伴わない特徴的な臨床像にあり,組織学的および電顕所見は本症を裏付けるための補助的所見と考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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