症例報告
Armoise Oilにアレルギーを示す接触皮膚炎の3症例
著者:
笠原延子1
松尾閑乃1
中山秀夫1
所属機関:
1東京都済生会中央病院皮膚科
ページ範囲:P.757 - P.762
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香料armoise oilにアレルギーを示す接触皮膚炎3例を報告した.症例1は39歳女性,症例2は50歳女性,症例3は37歳の男性で,前2者は顔面の瘙痒,紅斑,特に症例2は高度の色素沈着を伴い難治であった.症例3は毛孔一致性の丘疹と紅斑を生じていた.3症例とも化粧品シリーズのpatch testでarmoise oilに明瞭な陽性反応を呈した.光照射による反応増強はなく,確認テストでも陽性反応が得られた.Armoise oilは北アフリカに自生するArtemesia herba arbaという植物より抽出される精油で,20%vaselin baseでpatch testを行うと,122名の化粧品皮膚炎中6名程度の強陽性反応を見る.3症例ともlavender oilと交叉陽性反応が見られ,armoise oilと共通抗原を有すると考えられた.3症例とも抗原除去治療で改善したが,症例3は洗濯用洗剤を香料入り粉石鹸にかえると皮疹の再発を見た.