文献詳細
症例報告
文献概要
33歳,男性.左第3指基節部尺骨側の黒色斑を主訴として来院した.黒色斑より削りとった角層を20% KOH標本として鏡検し,角層内に分岐した褐色調を帯びた特徴的な菌糸を多数認め,黒癬と診断した.病巣より得た角層を培養したところ,暗緑色のコロニーが得られ,スライド培養で1〜2細胞性の分生子とアネロ型の分生子産生が認あられ,Exophiala werneckiiと同定した.本症は現在までに沖縄で8例,熊本,鹿児島で各1例の計10例の報告があるにすぎず,自験例は四国地方では第1例目である.
掲載誌情報