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症例報告
分裂病患者の昏睡状態に認められた水疱性発疹の1例
著者: 佐藤則子1 木村俊次1
所属機関: 1国家公務員等共済組合連合会立川病院皮膚科
ページ範囲:P.837 - P.841
文献購入ページに移動 19歳,女性.初診の約2カ月前より接枝分裂病にて某精神科病院に入院中であったが,突然39.0℃の熱発と共に皮疹が出現した.左頬部,左臀部には巨大な紅色腫脹とその上部に水疱の集簇を認め,また右手小指球下端部と左足内側縁に水疱様外観を呈する浮腫性紅斑,両側下腿伸側に虫刺様紅斑,両側足趾の爪廓部,趾背,趾間部に発赤を認めた.また眼脂,口唇粘膜の厚い鱗屑,口蓋垂に白い粘膜疹も認められた.組織学的に,壊死性血管炎の像はなく,表皮内汗管と真皮中・下層の汗管の壊死像が認められた.類似疾患との鑑別を試みたところ,汗腺壊死像とdiazepamの摂取歴より,自験例はdiazepam昏睡に伴う水疱疹が最も考えられた.
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