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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科43巻8号

1989年07月発行

文献概要

症例報告

砒素治療が誘因と考えられた多発性ボーエン病の1例

著者: 古家良1 市橋正光2

所属機関: 1三木市民病院皮膚科 2神戸大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.847 - P.850

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 砒素製剤が誘因と考えられた多発性ボーエン病の69歳男子例を報告するとともに,1980年以後の本邦の慢性砒素中毒による皮膚腫瘍の報告例を検討した.集団発生例を除く報告例の約半数は砒素製剤によるもので,サルバルサンとフォーレル水が大半を占めた.砒素製剤は現在でも歯科領域で使用されており,他剤も比較的最近まで使用できたことと発癌までに15〜30年を要することから,今後も新患の発生は十分に予想される.また,多発性ボーエン病の診断に当たっては,砒素摂取の可能性に関する問診を十分に行うことが重要と考える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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