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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科43巻8号

1989年07月発行

文献概要

症例報告

熱傷瘢痕部に生じた悪性線維性組織球腫の1例ならびに文献的考察

著者: 佐藤典子1 高橋伸也1 斎藤謙2 李力行3

所属機関: 1秋田大学医学部皮膚科学教室 2秋田大学医学部第一病理学教室 3田沢湖町立病院外科

ページ範囲:P.851 - P.855

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 62歳,男性の右耳前部熱傷瘢痕部に発症した悪性線維性組織球腫の1例を報告した.腫瘤の初発から受診までの期間は半月と短く,大きさは18×23×8mm,真皮内限局を示した.光顕像では,storiform patternをとる線維芽細胞様細胞とシート状に増殖する組織球様細胞が主体をなし,ともに異型性が強く核分裂像を多数認めた.Bizarreな核を有する巨細胞,多核細胞も多数混じていた.電顕像ではいろいろな程度に線維芽細胞と組織球の性格を持ち,fibrohistiocyteと呼ばれる腫瘍細胞形態をとっていた.さらに,自験例を含め6例の熱傷瘢痕部上に生じた本症の特徴につき考察した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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