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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科43巻9号

1989年08月発行

症例報告

Extensive Pityriasis Albaの2例

著者: 寺木祐一1 小粥雅明1 杉浦丹1 秋山真志2

所属機関: 1清水市立清水総合病院皮膚科 2慶應義塾大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.917 - P.922

文献概要

 Extensive pityriasis albaの2例を報告した.症例1は22歳,男.症例2は13歳,女.それぞれ10年前,および3年前より脱色素斑が出現し始め,漸次全身性に拡大してきた.両者ともほぼ全身に融合傾向のある類円形から楕円形の大小様々な不完全脱色素斑を多数認めるが,表面の粃糠様落屑ははっきりしない.アトピー性皮膚炎の既往や家族歴はなく,その他の先行する皮膚病変も存在しない.組織学的には部分的な軽度のspon-giosisと,真皮浅層の血管周囲に軽度の小円形細胞浸潤を認めた.また健常部と比較して基底層のmelanocyteの数はほぼ正常範囲であったが,melaninの量は減少していた.電顕的にはmelanosomeのmelanocyteからkeratinocyteへの移行は認めたが,mela-nocyte内のmelanosomeの減少を認めた.以上より症例1,2ともにpityriasis albaの汎発型,すなわちextensive pityriasis albaと診断し若干の知見を加えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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