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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科43巻9号

1989年08月発行

症例報告

爪下有棘細胞癌の1例

著者: 田村敦志1 石川英一1

所属機関: 1群馬大学医学部皮膚科教室

ページ範囲:P.955 - P.958

文献概要

 77歳,男性.左第Ⅰ趾爪床部にキノコ状に隆起した肉芽腫様腫瘤を認め,生検にて有棘細胞癌と診断した.本症例の組織学的特徴として,1)腫瘍底部,腫瘍細胞巣間の炎症性細胞浸潤がきわめて少なく,2)真皮,皮下への腫瘍細胞の浸潤は平等で,周囲結合織との境界は比較的明瞭で,また,3)個々の腫瘍細胞巣内に無構造の均質化した角化細胞集団を多数認め,顆粒層を経ず,また扁平化することなく角化し,類円形のhorn pearlを形成しないことなどが認められた.治療は左第I趾中足骨切断術と左鼠径リンパ節廓清術を行った.組織学的にリンパ節転移は認めなかった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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