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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科43巻9号

1989年08月発行

文献概要

症例報告

慢性円板状エリテマトーデスより生じた有棘細胞癌の1例

著者: 龍神綾子1 萩原民郎1 寺内雅美2

所属機関: 1沼津市立病院皮膚科 2沼津市立病院形成外科

ページ範囲:P.959 - P.963

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 慢性円板状エリテマトーデス(以下,DLE)の瘢痕の病巣の1個から生じた有棘細胞癌(以下,SCC)の1例を報告するとともに,過去10年間に報告のあった瘢痕癌のうち,DLEの瘢痕癌16例と,熱傷瘢痕癌25例を比較して,癌発現まででの期間,発生部位,性差などの考察を行った.癌発現までの期間は,DLEが平均18.1年,熱傷が47.1年とDLEの方が早く発現していた.発生部位は,DLEは顔面に圧倒的に多く,熱傷は頭部,四肢に多くみられた.性別では,どちらも男性に多くみられ,いずれもこれまでの報告とほぼ一致する結果であった.発生機序は瘢痕を母地とする以外にも,光過敏性,慢性刺激などの問題も考えられるが,いずれにしても瘢痕を残さないようにすることが癌発現を防ぐために必要と思われ,最近の知見にもふれた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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