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文献概要
原著
Sebaceous Folliculoma
著者: 木村俊次1
所属機関: 1国家公務員等共済組合連合会立川病院皮膚科
ページ範囲:P.15 - P.19
文献購入ページに移動 やや深部における限局性の成熟脂腺増生とその周囲の層状結合織増生とを主徴とした2例を報告した.症例1:37歳,家婦.8年前に右頬に痤瘡様皮疹が生じて漸次増大し,豌豆大腫瘤となる.症例2:24歳,男.2カ月来頭頂の脱毛斑に気づくが、皮下に小指頭大の腫瘤あり.組織像:2例とも開大したsebaceous follicleがあり、二次性導管を経て成熟脂腺増生がかなり深部に限局性にみられ、周囲に層状結合織増生と一部に炎症性細胞浸潤をみる.毛分化の所見は全くない.結合織増生部は弾力線維染色陰性である.これらの所見はsebaceous hyperplasiaの種々の病型やsebaceoustrichofolliculomaの原著例とは合致しない.自験2例はその臨床的・組織学的特徴からsebaceous folliculomaないしsebofolliculomaと呼称するのが適切な,一つの新しい疾患と考えられた.
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