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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科44巻1号

1990年01月発行

文献概要

症例報告

大阪府下に発生した小児の新型恙虫病

著者: 加藤晴久1 辻卓夫1 高橋邦明2 金友仁成3

所属機関: 1大阪市立大学医学部皮膚科学教室 2高橋皮膚科医院 3大阪市立城北市民病院皮膚科

ページ範囲:P.29 - P.32

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 大阪府下に発生した恙虫病につき報告した.患者は11歳,男子.1988年11月12,13日,大阪府下生駒山麓へキャンプに出かけた.11月21日,38度台の発熱,頭痛,全身倦怠が出現し,28日には全身に軽度の浸潤を触れる紅斑が出現した.29日の初診時,左腋窩部に虫の刺し口が認められたため,恙虫病を疑い,テトラサイクリン内服にて治療開始したところ,著効が得られた.経過中Weil-Felix反応は陰性.間接免疫ペルオキシダーゼ反応および間接蛍光抗体法の結果より病原恙虫病リケッチアの型はギリアム(Gilliam)株と診断した.寒い季節の発生より,フトゲツツガムシかタテツツガムシによる新型恙虫病と思われる.大阪府下の恙虫病発生はきわめて稀であり,これを報告するとともに,本症の疫学を含めて検討を加えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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