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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科44巻10号

1990年09月発行

症例報告

続発性皮膚紅痛症の2例

著者: 上村知子13 南光弘子1 堀江良一2 山根至二2

所属機関: 1東京厚生年金病院皮膚科 2東京厚生年金病院内科 3東京女子医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.1011 - P.1015

文献概要

 続発性皮膚紅痛症と思われる2例を報告した.第1例は47歳男性で特発性血小板血症を伴い,第2例は67歳男性疑診例で高血圧・肝癌・爪白癬を伴っていた.2例とも疼痛発作時の皮膚の潮紅,皮膚温の上昇があり,アスピリン内服が有効であった.皮膚紅痛症は特発性,家族性のもの,基礎疾患を伴う続発性のもの,やぶしめじの摂食による中毒性のものの4つに分けられる.病因について定説はないが自律神経障害,血小板機能異常,プロスタグランジンの関与,動静脈吻合の開口等諸説が言われている.本邦では最近10年間に44例が報告されており,基礎疾患の有無や種類により重症度や予後に差がみられた.病因や臨床が多様であることより,皮膚紅痛症は一つの疾患というより症候群として捉えるのが適当と思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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