icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科44巻10号

1990年09月発行

症例報告

手掌にも皮疹をみた顔面播種状粟粒性狼瘡の1例

著者: 河野正恒1 原田晴美1 高田善雄1 斉藤隆三1 蛇沢晶2

所属機関: 1聖路加国際病院皮膚科 2聖路加国際病院病理学科

ページ範囲:P.1021 - P.1024

文献概要

 48歳,女性の顔面播種状粟粒性狼瘡と考えた患者で,顔面以外に手掌,指腹にも皮疹がみられた症例を経験した.組織検査にて,顔面の皮疹より抗酸菌と思われる菌体様物質がみられるとともに手掌の皮疹より壊死部の中心に血管の残存が認められた.以上の所見より次のように考えた.病理組織学的に壊死部の中央に血管の残存があり,血管を介して病変が起こっていると思われる.そして1個ではあるが顔面の皮疹に抗酸菌と考えられる菌体が認められたことにより,これが原因菌とすれば汎発したことも説明できる,しかし現在のところ菌の同定はできず,また結核を示唆する所見もないことより,人型結核菌以外の何らかの抗酸菌が関与している可能性もあろう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら