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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科44巻11号

1990年10月発行

原著

リンパ管腔内に腫瘍細胞の塞栓像を認めた有棘細胞癌

著者: 佐藤俊樹1 新沢みどり1 真家興隆1 高橋伸也1

所属機関: 1秋田大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.1057 - P.1061

文献概要

 リンパ管腔内に腫瘍細胞の塞栓像を認めた有棘細胞癌の1例を報告した.症例:78歳,女.初診1年前より左耳介に浸潤性紅斑・結節出現,糜爛形成を繰り返した.病理組織像では角化傾向を示す腫瘍細胞が真皮のリンパ管内で増殖し,塞栓を形成している像が認められた.電顕による観察でも腫瘍細胞は有棘細胞の性質を有していた.転移性皮膚癌も考え検索を行うも他臓器に異常を認めなかった.切除後2年半を経過するが局所ならびに全身に異常を認めない.本症例を局所皮膚に原発し,主としてリンパ管内で増殖をみた有棘細胞癌と考え,その発症機序について若干の考察を行った.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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