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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科44巻11号

1990年10月発行

文献概要

今月の症例

Tubular Apocrine Adenomaの1例

著者: 大槻マミ太郎1 小林容子1 川口早苗1 日野治子1

所属機関: 1関東中央病院皮膚科

ページ範囲:P.1063 - P.1067

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 38歳男性.5年前に気づいた左上腹部の褐色,拇指頭大の硬い半球状腫瘤.組織学的には真皮から皮下にかけて腫瘍塊が存在.大小の管腔構造と嚢腫形成がみられ,大部分の管腔壁は2層の細胞で構成,外層は立方形ないし扁平な細胞,内層は円柱状で断頭分泌所見あり,絨毛状ないし乳頭状増殖を示す部分もある.免疫組織学的には腫瘍細胞はCEA陽性を呈するがS−100蛋白は陰性.自験例ではeccrine originとされているpapillary eccrine adenomaとの鑑別が問題となったが,断頭分泌所見およびS−100蛋白の染色態度からtubular apocrine adenomaと診断し,主としてアポクリン導管部への分化を示す腫瘍と解釈した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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