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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科44巻11号

1990年10月発行

文献概要

症例報告

急性腎不全とびまん性肺出血を合併した全身性強皮症の1例

著者: 鈴村泰1 平真理子1 大橋勝1

所属機関: 1名古屋大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.1075 - P.1079

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 27歳,男性.PSSの経過中,急速な腎機能不全と肺出血を呈し死亡した症例を経験したので報告した.腎生検では,膜性腎症の所見に加えて多数の半月体形成が認められた.強皮症腎に特徴的な血管病変は存在しなかった.蛍光抗体法では糸球体毛細血管係蹄にIgG,IgM,C3,Clqの沈着を認めた.電顕では糸球体上皮下にdensedepositを認めた.血液検査では,高力価の抗DNA抗体が認められたが,補体は腎機能悪化時においても低下しなかった.レニン活性は低下していた.ループス腎炎,強皮症腎,他の腎症について鑑別し,考察を加えた.腎症と肺出血との関係についても考察した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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