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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科44巻12号

1990年11月発行

原著

類天疱瘡の治療と予後に関する一考察—血漿交換療法を中心に

著者: 塩沢恵美子1 吉池久美子1 山田裕道1 種田明生1 高森建二1 小川秀興1

所属機関: 1順天堂大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.1137 - P.1142

文献概要

 最近15年間に経験した水疱性類天疱瘡症例の内,経過を十分に観察し得た25例につき,その治療法と予後との関係を中心に検討した.すべての症例を治療法によって4群に大別した.すなわち①ステロイド単独使用群,②ステロイド+免疫抑制剤使用群,③血漿交換療法+ステロイドまたは血漿交換療法+ステロイド+免疫抑制剤使用群,④その他(DDS使用群)に大別し,各群についてその臨床経過を比較検討した.その結果,血漿交換療法を行った群が皮疹の消失する率が高く,治療後の経過も最も良好であるという結論が得られた.血漿交換療法施行群は症状が高度でかつ抗体価が高く,ステロイドの使用できない合併症を持つ症例や免疫抑制剤に対する副作用を有する症例が多いだけに,今回の結果は血漿交換療法の類天疱瘡治療における有効性を示すものとして非常に意義のあるものと考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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