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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科44巻12号

1990年11月発行

文献概要

症例報告

Unusual Variant of Lupus Erythematosus or Lichen Planusの1例

著者: 出光俊郎1 只木行啓2 六郷正和2

所属機関: 1公立佐沼総合病院皮膚科 2東北大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.1161 - P.1164

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 症例は57歳,女性.初診の約5カ月前より両手背に鱗屑を固着した中心萎縮性の紫紅色斑が多発し,顔面に拡大.3カ月前には上背部にも角化傾向を有する環状紅斑が出現した.また,口腔内では両側頬粘膜にレース状の白色線条が認められた.検査成績では抗核抗体が80倍陽性(discrete speckled型)であるほか,血液,尿所見に異常はみられなかった.組織学的には角質増殖を伴った表皮肥厚のほか,基底層の液状変性と真皮上層にコロイド小体が認められ,帯状の小円形細胞浸潤も観察された.組織螢光抗体法では真皮乳頭層にIgM,IgA塊状沈着が認められた.自験例は臨床的には慢性円盤状エリテマトーデス(DLE)と扁平苔癬(LP)の両者の特徴を併せ持っていたが,検査所見はDLEに近く,一方組織所見および螢光抗体法の結果はLPにより合致するものであった.過去の類似症例を収集し,文献的に考察を行った.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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