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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科44巻12号

1990年11月発行

文献概要

症例報告

難治性の下腿潰瘍を呈した皮膚型結節性多発動脈炎の1例

著者: 小池道明1 飯田昇1 上原直樹1 清水一夫1 吉岡好道2 廣瀬俊一3

所属機関: 1順天堂伊豆長岡病院内科 2静岡市立静岡病院皮膚科 3順天堂大学医学部内科

ページ範囲:P.1165 - P.1167

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 52歳男性.昭和61年より右下腿の紅斑,腫脹,疼痛出現.その後潰瘍化してきたため,近医皮膚科に入院.下腿潰瘍の生検により,壊死性血管炎が認められ,他の全身症状がなかったことより,皮膚型結節性多発動脈炎と診断された.プロスタグランジンE1点滴,抗炎症剤にて一時潰瘍は改善したが,再び潰瘍が悪化してプレドニン15mgより開始したところ潰瘍は改善し,外来でプレドニンの減量中に再発し,今回の入院となった.1931年Lindbergは,内臓臓器障害がなく,組織学的に結節性多発動脈炎に一致する皮膚病変を呈する症候群を皮膚型結節性多発動脈炎とした.本症例も下腿潰瘍のみで,内臓臓器障害は認められていないが,ALP,LAP,γ-GTP,GPTが病態ともとに変化していた.入院後プレドニン30mgより開始し,再び潰瘍の改善を認めているが,今後の治療に免疫抑制剤等が必要になってくると考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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