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症例報告
仙骨部の胼胝様皮疹
著者: 原田玲子1 川久保洋1
所属機関: 1東京電力病院皮膚科
ページ範囲:P.1181 - P.1184
文献購入ページに移動 14歳,男に認められた仙骨部の扁平隆起性皮疹について検討し報告した.本症は基礎に骨の異常すなわち仙骨尾骨間角度の鋭角化等が認められることが多く,その結果尾骨の後方への突出が生じ,さらに機械的刺激が加わるために発生すると言われている.本症は後天的,特に12歳前後に発症するものが多く,組織学的に,真皮肥厚,膠原線維の増生が特徴とされるが,自験例ではこれらの所見の他に,毛孔の開大,毛包の周囲および下方深くまでの炎症性細胞浸潤を認めた.本症において多毛が合併した場合には,後天性のpilonidal sinusへの発展の可能性も考えられた.
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