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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科44巻12号

1990年11月発行

文献概要

症例報告

特異な臨床経過をたどった木村病

著者: 西本一栄1 西本正賢1 山本信二1 中嶋邦之1

所属機関: 1香川医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.1185 - P.1188

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 62歳男性の右上下眼瞼・左顎下・左肘窩に皮下腫瘤が,左上腕内側・腰部に慢性湿疹様苔癬化局面が生じ,好酸球増多と血清IgE高値を示した.組織学的には,眼瞼の皮下腫瘤と腰部の苔癬化局面では,皮下に好酸球浸潤を伴うリンパ濾胞様構造の増殖があり,同部にIgEの顆粒状沈着を認めた.浸潤好酸球のうち50%余りは,eosinophil cationic proteinの分泌型とのみ反応するモノクローナル抗体EG2に陽性を示した.また腰部の真皮乳頭層にはアミロイドの沈着を認めた.自験例は皮下腫瘤が好発部以外の上下眼瞼と下顎にみられ,腰部には20年前より苔癬化局面を呈し,木村病としては稀な皮疹型と考えられた.初診時より3年後の現在,腰部の苔癬化局面の部に皮下腫瘤が多発した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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