文献詳細
印象記
Clinical Dermatoloqy in the Year 2000に参加して
著者: 原田敬之1
所属機関: 1慶應義塾大学医学部皮膚科学教室
ページ範囲:P.1207 - P.1209
文献概要
学会には世界各国より2,000人に及ぶ参加者があり,日本からも100名を越える皮膚科医や関係者が参加した.World Congress ofDermatologyの規模には及ばないものの,それに次ぐinternationalの学会として盛大なものであった.22日の午後からregistrationが開始され,有刻より催されたopening ceremonyで学会の幕が落とされた.式はバッキンガム宮殿,ロンドン塔,ウィンザー城などでお馴染みの黒いフェルトの帽子に赤い軍服の衛兵姿をしたHer Majesty's Band of the Coldstream Guardsの軍楽隊の行進と演奏で始まり,organizingcomittee,scientific comitteeの委員そして会頭,来賓が舞台上に並んだ.ロンドン市長,ProfessorGreavus会頭などの歓迎の挨拶があり,音楽の演奏で盛り上がり終了した.引き続きfoyerで行われたレセプションは大勢の人で溢れたが,国際色豊かで,あちこちで異なった人種からなる輪ができて,和やかに親睦がはかられた.日本の学会の懇親会と違って,口にできるものはワインとおつまみ程度のもので,時間が経つにつれておなかの虫を満足させるべく,三三五五と遅い夕食をとるためにロンドンの町中に散っていった.翌日より3日間,学術大会が終日行われた.8:00〜13:00はplenary lecturesでそれぞれの分野のguest speakerによる講演が最も大きい会場であるBarbicanhallで行われた(表1).本学会のmain themeである2000年のclinical dermatologyを見越して,診断,治療方法,薬剤やその他の様々なトピックスについて高い見地から講演された.現在までの数々のデータが再検討されて,その問題点が指摘,浮き彫りにされて,それに対して,20世紀の最後に残されたこの10年間で何をなすべきかが提起された.西暦2000年にはどのように進歩,発達しているかを予見するようなテーマであり,将来に向かって皮膚科の夢が膨らむような期待感で力づけられた.わが国からは神崎助教授(名市大)がNovel ways ofcontrolling carcinogenesisを,荒田教授(岡山大)がAntibiotictherapy:dermatologicalaspectsを,田上教授(東北大)がDry skinをそれぞれ講演された.昼食時の13:00〜13:45には毎日2題ずつのlunch time sessionsが開かれた.14:00〜18:00の約4時間は10会場に分かれて,同時進行のparallelsessionsが表2のようなテーマで行われた.それぞれの分野の第一人者のspeakerによりいろいろな角度から将来あるべき診断法,治療法についてさらに詳細に検討が加えられた.討論も熱心に行われたが,10名近くのspeakerが限られた時間に発表するために,会場によっては時間が押せ押せとなって,討論が打ち切られることもあり,残念であった.ポスター展示は一般公募され,コンコースを利用して行われた.毎日新しく貼り変えられて9:00〜17:00に展示され,13:00〜14:00の1時間が討論に当てられ,あまり広くない会場は人で溢れ,それぞれの展示の前で熱心な議論が展開された.internationalな学会では言葉の問題もあり,展示はゆっくりと理解するまで見ることができ,また気軽に,frankに討論することができるので,優れた発表方法であると思われた.3日間の合計で250題を越えるポスターが発表された.
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