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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科44巻13号

1990年12月発行

文献概要

原著

Poland症候群,Horner症候群を合併した先天性皮膚欠損症

著者: 川合博子1 吉池高志1 小川秀興1 許慶子2 新島新一2 山内裕雄3

所属機関: 1順天堂大学医学部皮膚科学教室 2順天堂大学医学部小児科学教室 3順天堂大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.1231 - P.1235

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 症例は1歳1カ月,男児.妊娠15週時,母親が水痘に罹患し,抗生剤(薬剤名は不明)を内服したという.出生時に左手合指症と左前腕部のびらん・潰瘍,痂皮および左眼瞼下垂を指摘された.左前腕部のびらん・潰瘍面は,速やかに上皮化し,瘢痕となった.精査の結果,本症例では,上記のごとく,(a)先天性皮膚欠損症が存在するほかに,同側の①短合指症と②大胸筋欠損が存在することから(b)Poland症候群,そして①縮瞳・眼球陥没を伴わない眼瞼下垂に加えて,②ヨード澱粉反応と局所発汗量測定にて,分節性の発汗低下が存在するところから(c)Horner症候群不全型という多彩な疾患ないし奇形が合併していることが判明した.先天性皮膚欠損症にはしばしば奇形を合併するが,Poland症候群あるいはHorner症候群とを合併したとの報告例はかつてなく,稀有なる症例と思われる.そこで,その詳細を報告するとともに,本症のごとき合併症相互の因果関係の考察を試みた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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