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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科44巻13号

1990年12月発行

文献概要

症例報告

脊髄損傷患者の褥瘡部に生じた有棘細胞癌の1例

著者: 羽生田久美子1 佐久間正寛1 石原洋子1 松本和彦1 斎田俊明1 高橋信行2 岩沢幹直2 広瀬毅2

所属機関: 1信州大学医学部皮膚科学教室 2信州大学医学部形成外科学教室

ページ範囲:P.1295 - P.1299

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 43歳,男性.19歳時に外傷性脊髄損傷をきたし歩行不能となる.約7年前より,仙骨部に潰瘍性病変があり,増大してきた.初診時,直径15cmの巨大な腫瘍がみられたが,化学療法にて腫瘍を縮小させた後,全摘した.当初,血中SCC関連抗原は高値であったが,化学療法の奏効に伴い正常化した.全摘手術後3カ月で血中SCC関連抗原の再上昇を認め,精査の結果腫瘍の局所再発が明らかとなった.本例は,褥瘡を発生母地とした有棘細胞癌と考えられた.また,本例では病状の経過観察に血中SCC関連抗原が有用であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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