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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科44巻13号

1990年12月発行

症例報告

SCC関連抗原値が高値を示し,悪性黒色腫を併発したアロポー稽留性肢端皮膚炎

著者: 橋爪鈴男1 木下誠司1 佐藤光浩1 長山百合子1 渋谷倫子2 相原正記2 石田寛友2

所属機関: 1聖マリアンナ医科大学皮膚科学教室 2聖マリアンナ医科大学形成外科学教室

ページ範囲:P.1301 - P.1304

文献概要

 36歳,女性.初診,昭和63年9月22日.1歳頃からアロポー稽留性肢端皮膚炎にて様々な治療をうけていた.昭和61年頃左足底にくつずれ様の皮疹が出現し,昭和63年5月から急速に増大し,当院を受診した.初診時SCC関連抗原値は高値であった.悪性黒色腫と診断し切除した.SCC関連抗原値は手足の皮膚炎に対するステロイド剤外用治療により,腫瘍切除前に低下し,術後も著明な増減はなく,自験例におけるSCC関連抗原値の上昇は腫瘍性のものではなく,アロポー稽留性肢端皮膚炎に由来するものと断定した.SCC関連抗原は扁平上皮癌に特異性が高い腫瘍マーカーで,その臨床的価値は高い.しかし,皮膚良性疾患において,その値が高値を示すことが報告されており,SCC関連抗原値が高値を示した場合,皮膚疾患の有無についても十分注意することが必要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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