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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科44巻2号

1990年02月発行

文献概要

原著

エックリン分泌部への分化を示す汗器官癌(Eccrine Spircarcinoma)—組織学的,酵素および免疫組織化学的,電顕的検討

著者: 勝海薫1 赤井昭2 藤原浩1 清水直也1 中村雄彦3

所属機関: 1新潟大学医学部皮膚科学教室 2県立がんセンター新潟病院皮膚科 3新潟大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.91 - P.96

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 81歳,女性の右頬部に生じた汗器官癌の1例を,組織学的,酵素および免疫組織化学的,電顕的に検索した.組織学的に腫瘍細胞は円柱状ないし立方形の異型細胞で,腺様・管腔構造の形成が顕著である.しかし,明らかなクチクラや断頭分泌像は認められない.組織化学的に,酵素活性はフォスフォリラーゼとコハク酸脱水素酵素が陽性.また抗S−100蛋白抗体,汗器官分泌部細胞特異性抗ケラチン抗体RGE−53で大部分の腫瘍細胞が反応陽性,抗セクレタリーコンポーネント抗体で一部の腫瘍細胞が反応陽性であった.電顕的に,腫瘍細胞は分泌顆粒を有し,細胞間分泌小管を認めた.以上の所見より本腫瘍をエックリン分泌部への分化を示す汗器官癌(eccrinespircarcinoma)と診断した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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