icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科44巻2号

1990年02月発行

文献概要

症例報告

ステロイド全身投与が奏効した苺状血管腫の1例

著者: 西條忍1 只木行啓1 照井正1 加藤泰三1 菅野陳一郎2 原敏2 田上八朗1

所属機関: 1東北大学医学部皮膚科学教室 2東北大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.141 - P.144

文献購入ページに移動
 左こめかみの皮下型苺状血管腫の1例を報告した.症例は1カ月女児で左こめかみの皮下腫瘤に加えて左頬部に苺状血管腫を伴っていた.皮下腫瘤は組織学的にcapillary hemangiomaであることを確かめた.CTでは,左側頭窩と左頬部との軟部組織陰影とともに左外眼筋肥厚様の眼窩内腫瘤陰影を認めた.眼窩内腫瘤による左眼球突出・兎眼のため視力障害を残すおそれがあったので,ステロイドを内服させた.生後2カ月の時初回量ベタメサゾン0.5mg/日で開始して漸減し,8カ月間投与した.治療によりCT上の陰影はすみやかに縮小し,眼球突出がなくなり,視力をそこなわずにすんだ.問題となるようなステロイドの副作用はおこらず,中止後も再増悪しなかった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?