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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科44巻2号

1990年02月発行

文献概要

症例報告

足背に生じた脈管肉腫の1例

著者: 福田知雄1 小林孝志1 秋山真志1 川久保洋1 杉俊之1 原田敬之1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部皮膚科教室

ページ範囲:P.151 - P.155

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 右足背に原発し,同側下肢7カ所に転移の認められた脈管肉腫の54歳女子例を報告した.組織学的に,真皮全層にわたり多数の管腔を形成する腫瘍細胞の増殖が認められた.腫瘍細胞はUlex europaeus aggulutinin-I(UEA−1)染色で強陽性,免疫組織化学的には第Ⅷ因子関連抗原弱陽性であった.また,腫瘍間質には散在性一部集簇性に真皮メラノサイト様細胞が認められた.これらの細胞はS−100蛋白染色で陽性像を示した.さらに電顕的検索を施行,腫瘍細胞内にWeibel-Palade顆粒と細胞質内小腔隙を確認した.また,真皮メラノサイト様細胞は種々のステージのメラノゾームとexternal laminaを有することを確認した.以上の所見より,自験例を真皮メラノサイトの増殖を伴った脈管肉腫の1例と診断した.治療は,放射線療法に化学療法(DAV-C)を併用し,原発巣腫瘤の縮小傾向が認められた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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