文献詳細
症例報告
文献概要
76歳,女性.昭和60年7月上旬,頭頂部に直径3cm大の腫瘤が2個出現.左側頭部にも新たに出現したため受診.生検により,皮下に悪性の腫瘍塊を認め,頭部CT上,頭頂部を中心に骨破壊を認めた.表在性の腫瘤を切除し,内皮腫型髄膜腫と診断.わずかではあるが核分裂像が散見された.頭蓋内に占拠性病変なく,神経学的には正常.その後,腫瘤は再切除するも増大するため,リニアック照射を施行し,わずかに縮小化.昭和62年4月,残存する腫瘤を切除したが,腫瘍細胞は悪性度を増し,核分裂像が多数存在.またリニアック照射による多巣性の壊死を認めた.同年11月には左坐骨に,12月には右上肺野にX線上転移を思わせる陰影が出現し,12月19日死亡.臨床的,病理組織学的に,悪性皮膚髄膜腫と考えた.
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