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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科44巻3号

1990年03月発行

原著

Livedoid Vasculitis

著者: 足立厚子1 石田としこ1 中村麻紀1 上田正登1 堀川達弥1 谷昌寛1

所属機関: 1神戸大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.177 - P.183

文献概要

 Livedoid vasculitis(Winkelmann)の3例を報告するとともに,本症に対する抗凝固療法について考察した.すなわちアスピリンは少量では血小板のcyclooxy-genaseのみを抑制し強力な血小板凝集促進因子であるトロンボキサンA2産生を抑えることにより抗凝固作用を発揮するが,多量では血管内皮細胞のcyclooxygenaseをも同時に抑制し血小板凝集抑制因子であるプロスタサイクリンの産生を抑えてしまうため逆に凝固促進作用を発揮するという二面性を持つ.そのため従来から300mg/日以下の少量投与が推奨されてきたが,我々は1000mg/日投与の方がより効果的であったという印象をうけた.その根拠としてアスピリンは上記の作用以外に凝固線溶系の様々な経路においてdose dependentに抗凝固作用を有することなどを挙げることができるのではないかと考えている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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