icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科44巻3号

1990年03月発行

臨床統計

アトピー性皮膚炎患者の年齢とアレルゲン—アレルギーマーチは存在するか

著者: 安江厚子1 三田哲郎1 安江隆2

所属機関: 1聖霊病院皮膚科 2名古屋大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.203 - P.207

文献概要

 アトピー性皮膚炎(AD)患者のⅠ型アレルギーの抗原の年齢的消長を明らかとし,乳児期における食物アレルギーの存在とそれ以後における気道アレルギー発症との関係を知る目的で自験AD患者につきIgE-RAST(RAST)法による検索を行った.RASTスコア2以上の陽性率は,1歳未満のADでは,卵白が53.2%と最も高く,ダニは6.5%に過ぎなかった.4歳以上のADでは,いずれの年齢層でもダニは77.2-79.8%と高かったが,卵白は18.2-3.7%と加齢と共に低下する傾向が示された.4歳以上のADでは,鼻炎,喘息などの気道アレルギーの合併率はダニ抗体陽性群で有意に高く,卵白抗体陽性群では有意に低かった.発症年齢による気道アレルギー合併率の差は認められなかった.すなわち,乳児期以後での新アレルゲン獲得や気道アレルギー発症に,乳児期の卵白アレルギーなどの食物アレルギーの存在が影響を与えるという結果は得られなかった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら